阿波人形浄瑠璃・農村舞台

阿波人形浄瑠璃と農村舞台

阿波人形浄瑠璃と農村舞台

阿波人形浄瑠璃は、徳島県の各地に伝承されている義太夫節(ぎだゆうぶし)による三人遣い(さんにんづかい)の人形芝居です。かつては、各地の神社の境内に建てられた農村舞台で祭礼などとして上演されてきました。阿波人形浄瑠璃の大きな特徴として、人形の首(かしら)の大型化があげられます。これは明治の初めから中頃にかけて、農村舞台での効果を考えて加えられた工夫と思われます。さらにこの首の使用につれて、それを生かした大振りな人形操作による独自の演出法も生まれました。そして、西日本の代表的な人形浄瑠璃として発展し、周辺地域の人形浄瑠璃にも影響を与えてきました。

阿波人形浄瑠璃の世界

阿波人形浄瑠璃の歴史

慶長年間初期(16世紀末)

慶長年間初期(16世紀末)

 

三味線の伴走による浄瑠璃と人形劇を融合した人形浄瑠璃は、淡路で生まれたといわれています。

江戸時代

 

1615年、淡路を加増された阿波国守、蜂須賀家の初代藩主家政は、人形浄瑠璃を保護・奨励しました。淡路の人形座が諸国巡業に出る折には、まず徳島城下で勧進興行をさせるのを例とし、歴代の藩主もこれにならいました。以後、阿波の民衆にも、人形浄瑠璃の楽しみが広まっていきました。

明治時代中期

明治時代中期

 

この時期は絶頂期であり徳島に70以上の人形座があったとされています。これらの人形座は、地元の祭礼での上演のほか、農閑期には他村へも復興していました。

現在

 

映画等の新たな娯楽の登場や戦争の影響で一時急速に衰えましたが、昭和28年の財団法人阿波人形浄瑠璃振興会の結成などを契機として、徐々に復興してきました。その後、民俗文化財として見なおされるようになり、1999(平成11)年に阿波人形浄瑠璃が「国指定重要無形文化財」に、2002(平成14)年には、人形師・天狗久の制作用具・製品等が「国指定重要有形民俗文化財」になりました。

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阿波人形浄瑠璃の関連施設

徳島県立阿波十郎兵衛屋敷

徳島県立阿波十郎兵衛屋敷

阿波十郎兵衛屋敷は板東十郎兵衛の屋敷跡であり、「傾城阿波の鳴門」ゆかりの地でもあります。館内には、かつて神社の境内によく見られた農村舞台を模した舞台と観客席があり、阿波人形浄瑠璃を毎日上演しています。また木偶(でこ)人形や人形浄瑠璃の衣装など資料も充実しているほか、人形の動かし方や大夫、三味線など演者の役割についても学ぶことができます。
住所:徳島市川内町宮島本浦184
TEL:088-665-2202

阿波木偶資料館

阿波木偶資料館

総数600あまりの人形浄瑠璃関係資料を有しており、全国でも類を見ない程の貯蔵数です。そのほか、通常では入ることが難しい農村舞台の楽屋裏をイメージした展示コーナーや、様々な木偶が種類別・外題別に展示されています。

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阿波木偶人形会館

浄瑠璃人形の総合展示場。約100体の木偶人形と木偶人形関係資料の展示。木偶人形の歴史の説明から人形頭の制作行程の説明とからくりの仕掛け初公開。舞台設置・名場面・説明付き世界一ジャンボかしら展示、テレビ(ビデオ)で人形芝居を放映。

松茂町歴史民俗資料館
人形浄瑠璃芝居資料館

阿波人形浄瑠璃芝居に関する頭・人形・絵画などがあり、「名人」と称された人形師・天狗久による木偶人形や頭も多数展示されています。

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こくふ街角博物館 阿波木偶館

国府町の地域全体を博物館と見たてたエコ・ミュージアムのひとつに、「阿波木偶館」、「天狗久資料館」があります。資料館や工房が当時の雰囲気を漂わせています。

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全国一の現存数を誇る阿波農村舞台

阿波農村舞台が建設され始めたのは幕末期のことといわれています。
村の鎮守の神社では、豊作祈願や豊作感謝の祭りが行われ、農民は供え物に加え歌や踊りなどの芸能を奉納していました。
この奉納芸が、盆踊りから人形芝居に移行し、農民は自分たちで人形操りを稽古する練習場所として、村の共有地である神社の境内に農村舞台を建設しました。
阿波農村舞台は、浄瑠璃語りが座る太夫座の付いた人形芝居系という大きな特徴を持っており、全国一の現存数を誇っています。

犬飼農村舞台

犬飼農村舞台

明治6年に建立されたこの舞台は、芝居をおこなった当時の機構が、最も原形にちかい状態で残されたものとして貴重です。(昭和53年10月17日徳島市指定有形文化財)平成10年、国の重要有形民俗文化財に指定。カラクリ機構を使って132枚のふすま絵を操り、42景の舞台背景を展開します。舞台中央奥に奥千畳のための建物が付設されており、遠近法による千畳敷の背景を創り出すことができます。カラクリ機構の下には舟底楽屋があります。空間を有効利用するために地面を掘って設けた舟底楽屋は、徳島では唯一ここだけの貴重なものです。

小野さくら野舞台

小野さくら野舞台

神山町には江戸時代後期から明治、大正に描かれたふすま絵が約1500枚残されています。小野さくら野農村舞台にも「千畳敷」「竹に虎」「竜と雷」「松に鶴、朝日」など興味深い図柄のふすま絵が木箱に納められ、多数保存されています。天井にはカラクリ機構もあり、田楽返しなどのふすまカラクリが行われていた様子がうかがえます。

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今山農村舞台

今山農村舞台

平成18年、約70年ぶりに人形浄瑠璃を上演していた当時の形に復元された舞台。全国的にもめずらしい「仮設式舟底舞台」があります。平常時は幅4間、奥行き3間の平舞台であり、人形浄瑠璃の時は床に段差を設けて舟底舞台に転換できる仕組みです。杉の床板、大引き等の部材を撤去し、平舞台から舟底舞台に転換します。

鎌瀬農村舞台

鎌瀬農村舞台

舞台は社殿に向かって右側にあり、3連の蔀帳と太夫座を備えています。建て替え前の舞台の梁(はり)は江戸時代の古い材木を使った明治時代の建物でした。舞台は老朽化のため取り壊され、平成3年3月に蔀帳と太夫座を備えた以前の形そのままに、規模を一回り大きくして建て替えられました。

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拝宮農村舞台

拝宮農村舞台

清流と巨木に囲まれた白人神社の境内にあります。以前は本殿に向かって右手にありましたが、明治初期に川を背にした左手に位置を変えて建て替えられました。すぐそばを流れる清流の川音が、太夫の声をかき消してしまうというのが理由です。昭和22、3年頃まで天狗久や人形忠などの人形頭40数個を有する「拝宮人形座」が興行していました。平成16年に50年ぶりに復活公演が行われました。

川俣農村舞台

川俣農村舞台

礫(つぶて)神社境内に舞台が設置されています。この神社は、明治29年、操人形の舞台装置に作られたもので、拝殿、お堂、農村舞台が配置されています。舞台には太夫座や千畳敷の装置やふすま絵も残っており大変貴重です。そのなかでも、舞台とふすま絵は、町指定有形文化財に指定されています。ふすま絵をしまっておく押し入れは湿気を呼ばない吊り構造になっているため、明治中ごろに描かれたというふすま絵は、その彩色を今も失っていません。

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坂州農村舞台

坂州農村舞台

明治31年に、再建されたのが現在の舞台です。全国で稀な建築様式で、毎年10月の最終日曜日と秋祭りのある11月22日の夜には伝統の木偶人形が上演されます。(昭和49年8月30日県指定有形民俗文化財)

北川舞台

北川舞台

高知県との県境に位置する那賀町木頭にある農村舞台。徳島市内より車で2時間半の距離にある山奥の舞台にもかかわらず、江戸時代後期に行われた淡路の人形座による公演記録が舞台の壁に書き込まれ、往時が偲ばれます。

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法市農村舞台

法市農村舞台

大きな木材を惜しげもなく使用し、大棟に龍を飾りつけた入母屋造の瓦屋根を持つなど、当時の村人たちの農村舞台への思いが伝わってくる建物。通常は拝殿として使われていますが、全国的にめずらしい「仮設式舟底舞台」の仕組みを持ち、取り外し可能なパネル状の床板を床下に落とし込むことで、平舞台から人形浄瑠璃用の舟底舞台に転換します。

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コラム

阿波農村舞台・阿波人形浄瑠璃ボランティアガイド

農村舞台や人形浄瑠璃の公演時にボランティアによるガイドを行っています。ガイドからは、農村舞台や人形浄瑠璃が、徳島で発展した歴史や、各々の農村舞台、人形浄瑠璃の特色などをご説明いたします。当日の一ヶ月前までにお申込みください。また、キャンセルはガイド前日までにご連絡ください。

阿波農村舞台・阿波人形浄瑠璃ボランティア係

(徳島県観光協会内)
TEL:088-624-5140 FAX:088-625-8469

阿波農村舞台の会

徳島に現存する農村舞台の保存・活用を実施しているNPO法人 阿波農村舞台の会では、情報誌の発行や様々な保全活動を行なっています。

阿波農村舞台の会

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