うみがめの町・日和佐を巡る観光ガイドツアー

徳島県南部にうみがめの産卵地として知られる『日和佐(ひわさ)』というエリアがあります。徳島県民は何の違和感もなくこの場所を日和佐と呼んでいますが、実はそれは昔の地名で、現在は町の合併により『美波町』になっています。つまり、日和佐という地名は現在は存在しないわけですが、『日和佐城』や『道の駅日和佐』、飲食店の『ひわさ屋』など、この町には今でも日和佐が色濃く残っています。個性のある町だからこそ、日和佐という名前が残り続けていて、その町並みは散策するだけでも楽しいはず!ということで今回は日和佐の町並みを散策する観光ガイドによるツアーに参加してきましたよ!

無料の観光ボランティアガイド

今回、日和佐の町並みをガイドしていただけるのはこちらのお二人。観光ボランティアガイド会日和佐の榮さんと井上さんです。ガイドコースはうみがめについていっぱい教えてもらえる『のんびりうみがめコース』や、四国八十八ヶ所の第23番札所を訪れる『たっぷり薬王寺コース』などいくつかありますが、今回は歴史ある日和佐の町並みを巡る『あわえ・町並みコース』をガイドしていただきます。

スタート地点は日和佐の象徴的な場所、薬王寺の前。この薬王寺の正面にある桜町通りから散策開始です。

桜町通りは近年、人気のラーメン屋さんやおしゃれなカフェなどが次々に出店し、今や日和佐のメインストリートだと言っても過言ではありません。

また、この通りには『美波遺産』に認定される歴史ある特徴的な建物がいくつもあり、近年オープンしたお店はそういったレトロな建物を活用して営業しているようです。

一方で昔から営業している和菓子屋さんもあったり。こういったお店の人とお話をしてみるのも、このガイドツアーの楽しみ方のひとつです。そして、名物の『かめサブレ』が可愛い!早速お土産候補発見です。

そして桜町通りを通り抜けた先にあるのが、昼も夜も人気の飲食店『ひわさ屋』です。この辺りでお店をオープンするのは移住者の方が多いみたいですが、この『ひわさ屋』は移住者がオープンしたお店第一号だそうです。お昼時ならここでランチするのもいいですね!

ついに“あわえ”に突入…!でも“あわえ”ってなに?

桜町通りを抜け、うみがめがいる橋を渡ると、「ここからが“あわえ”なんよ」とガイドの榮さん。そういえば、コース名は『あわえ・町並みコース』でした。“あわえ”とは一体何なのでしょう?

「ここが“あわえ”」だと、ガイドのお二人は細い道に入っていきます。“あわえ”とは、徳島県南部の方言で、集落の家と家の間にできる狭い路地のことなんだとか。漢字で『間』と書いて“あわえ”と読むそうです。路地というとなんだかジメッとした陰気な場所を想像してしまうかもしれませんが、日和佐の“あわえ”はノスタルジックでとっても雰囲気が良い路地でした。

この集落には“あわえ”がいくつもありますが、どの路地も趣があって良い感じです。自分のお気に入りの“あわえ”を見つけて写真撮影。地面の近くからローアングルで撮るのが“あわえ”撮影のコツです。

そんな感じでいろんな“あわえ”を歩いていると、改修中の建物を発見。聞くと、ここはクラフトビールの醸造所になるのだそう。オープン日はまだ未定だそうですが、町並み散策中に地ビールが飲めるようになるのでしょうか。楽しみ!

最後はうみがめの産卵地・大浜海岸へ!

しばらく歩いて最後にたどり着いたのは、うみがめの産卵地として知られる大浜海岸です。うみがめの産卵時期は5~8月で、今回時期はぴったりでしたが、産卵は基本夜間なのでこのときは来ていませんでした。

というわけで、大浜海岸のすぐ前にある『日和佐うみがめ博物館カレッタ』の屋外水槽で泳いでいるうみがめを観察。カレッタは2023年7月現在リニューアル改修工事のため休館中です(2024年4月にリニューアルオープン予定)。観光ボランティアガイドには『うみがめ博物館コース』もあるので、リニューアルオープン後には人気のコースになりそうですね。

さて、薬王寺前から始まり大浜海岸まで散策した『あわえ・町並みコース』。ガイドのお二人から日和佐の町のことや歴史のことなどたくさんお話を聞けたし、最後うみがめも見れて大満足です!しかもガイド料は無料なので、みなさんもぜひ利用してみてくださいね。

観光ボランティアガイド会日和佐