人に出会う旅 ~歌うたいの古式そば打ち体験編~

今回は、徳島県内各地の個性的で素敵な人たちを探しに行く『人に出会う旅』の第二弾。やってきたのは、日本三大秘境のひとつとして知られる祖谷(いや)です。徳島県西部の山深くにある祖谷は、その地形や昼夜の寒暖差がそばの実の栽培に適しているため、古くからそばが郷土料理のひとつになっています。今や『祖谷そば』はこのエリアを代表するご当地グルメです。
今回はそんな祖谷そばにまつわる『人に出会う旅』。では行ってみましょう!

祖谷の民謡名人・都築さん

祖谷の中でも奥祖谷と呼ばれる秘境中の秘境にあるこちらのお店『つづき商店』。こちらでは、伝統的な製法の古式そば打ち体験ができるのですが、このお店には超美声の民謡名人がいるのだとか。

出迎えてくれたのは店主の都築(つづき)さん。お話していると、祖谷のことや祖谷そばのことをいっぱい教えてくれます。そしてこの民謡名人の都築さんは、そばの実を石臼でひくときに『祖谷の粉ひき節』という歌をうたうのだとか。その由来を都築さんはこう話します。

「昔はそば打ちというのは、夜なべ仕事だったんよ。昼は畑仕事とかをしてるからね。夜の作業だから、眠いでしょう?それで、眠気覚ましのために歌をうたいながらそば打ちをしていたんよ」

なるほど、眠気覚ましの歌だったんですね。そんな中で祖谷のそば打ち専用の民謡としてできたのが『祖谷の粉ひき節』なのだそう。

美声が響く、祖谷の古式そば打ち体験

では早速そば打ち体験をやってみましょう!当日、日本を旅行中のドイツ人ファミリーと出会ったので一緒に体験してきましたよ!
まずはそばの実を石臼でひくところから。なかなかの重労働ですが、こうやって石臼でそばの実を皮ごとすり潰すことでとっても香り高く風味豊かなそば粉になるのだとか。

そして石臼を回している横で都築さんが民謡を歌ってくれます。
「サァ ヨイヨイ♪」
文字では伝えられないのが残念ですが、都築さん、超美声! 「今日は喉の調子が良くない」と言っていましたが、それでも現場は拍手喝采でした。それに隣で歌ってくれているおかげで、テンポよく石臼を回すこともできます。

そして、石臼でひいたそば粉に水を加えながら手で捏ねていきます。

そば粉がまとまってきたら、綿棒で薄く伸ばしていって、そば生地の完成! 横でコツを教えてくれながらの作業なので、初心者でも簡単にできちゃいます。

あとはお好みの太さに切っていくだけ。最近は細めの麺が好まれる傾向にありますが、祖谷そばと言えば太くて短い麺が特徴です。“祖谷そばらしさ”を味わいたいのであれば少し太めに切るのがいいかもしれません!

祖谷の料理名人の絶品料理を堪能!

そば打ち体験が終わったら、祖谷そばの実食タイムが始まるわけですが、都築さんが厨房で何やら準備をしています。最初に都築さんのことを『祖谷の民謡名人』だと紹介しましたが、何を隠そう、都築さんは『祖谷の料理名人』としても有名です。

そば打ち体験で打ったそばと一緒に、都築さんの手料理がみんなに振る舞われます。これが、めちゃくちゃ美味しいのです…! そば打ち体験をせずに、この料理だけを食べにくる人もいるほど。

鹿肉の唐揚げに、山菜の天ぷら、祖谷でしか栽培されていないヤツマタを使った雑穀ご飯などなど、どれも祖谷ならではの郷土料理です。何度も言いますが、この都築さんの料理が超絶品。メニューは季節や日によっても変わって、冬には猪肉を使った『ぼたん鍋』なんかも登場します。

そして肝心の祖谷そばも、もちろん美味! 石臼でひいたそば粉の効果もさることながら、『ひきたて』『打ちたて』『湯がきたて』の3つの“たて”があるからこそ、こんなにも美味しいのだといいます。何より、自分で打ったそばですから、美味しくないわけがありません!

最後は都築さんと一緒に記念撮影。お土産用の祖谷そばもゲットして、みんな大満足です。

人に出会う旅、第二弾。今回も素敵な人に会うことができました。徳島県西部の秘境まで、みなさんもぜひ行ってみてくださいね。

つづき商店

徳島県三好市東祖谷若林84-1
tel.0883-88-5625
そば打ち体験料金/1名3,600円(食事だけの場合は1,400円)※要予約
https://www.tsuzuki-syoten.com/