2億年の時が生んだ渓谷美 大歩危峡でクルージング

「大歩危峡でクルージング」ページのメイン画像 

 吉野川上流の約8kmに渡って広がる、深く険しい渓谷「大歩危・小歩危」。2億年余りの長い歳月をかけて形成されたといわれるダイナミックな風景を間近で体感したいなら、「大歩危峡観光遊覧船」がおすすめです。

遊覧船に乗って大歩危峡のクルーズに出発!

大歩危峡観光遊覧船乗り場の画像

写真左:JR大歩危駅から乗船場へ向かうバスもある。 写真右:乗船場には数隻の遊覧船が待機しており、随時運航

 

 「大歩危峡観光遊覧船」の乗船場はJR大歩危駅から車で約5分、ホテルやレストランが集う複合施設「大歩危峡まんなか」にあります。遊覧船は通年運航しており、1名からでも気軽に乗船可能。1階のフロントで乗船券を購入したら、船が停泊する乗り場へさっそく向かいましょう。

  大歩危峡観光遊覧船に乗った女性の画像

写真:遊覧の所要時間は約30分。船上ではライフジャケットを着用

 

 遊覧船に乗っていざ出航! 渓谷を進むと、両岸にそそり立つ淡い青灰色の岩に目を奪われます。これは全国的にも非常に珍しい含礫片岩(がんれきへんがん)。この硬い岩でできた地層が長い年月をかけて隆起しながら吉野川に侵食されたことで、大歩危峡は形成されたのです。

  大歩危峡遊覧船から見た岩の画像

写真:眼前に迫りくる岩は迫力満点!積み重なった地層がよくわかる

 

 さらに進むと、まるで彫刻のような奇岩・巨岩が次々と視界に現れます。大自然が生み出した造形美を間近で見上げることができるのは、遊覧船ならではの体験です。

  大歩危峡観光遊覧船の船頭さんやアイガモの画像

写真上:屋根は折りたたみのテント式。天気の良い日は開放感抜群。 写真左下:流れが緩やかなコースを進むので、周囲の景色をのんびり楽しめる。 写真右下:かわいいアイガモが船を追いかけてくることもある

 

 乗船中は、ベテランの船頭さんが渓谷のみどころを詳しくガイドしてくれます。解説に耳を傾けながら、美しい景色を堪能しましょう。

 また川下りの途中には、アイガモやトンビなどの野鳥が、遊覧船に近づいてくることも。運がよければ、対岸を駆けるカモシカの姿が見られることもあるそうです。

四季折々の風景や妖怪伝説にも注目

大歩危峡の四季の画像

写真左:吉野川を挟んだ国道側と対岸にワイヤーがかけられ、鯉のぼりがはためく。 写真右:大歩危・小歩危の紅葉は例年11月中旬から見ごろを迎える

 

 遊覧船乗り場周辺の自然は、季節によってさまざまな表情を見せます。春はソメイヨシノや岩ツツジが咲き誇り、秋には山全体が鮮やかな朱色に染まって徳島県屈指の紅葉スポットに。例年3月下旬~5月末には、吉野川を悠々と泳ぐ多数の鯉のぼりをひと目見ようと、大勢の観光客で賑わいます。

  ひだるラーメンや児啼爺の像の画像

写真上:ひだるラーメンには味噌や猪肉、山菜を使用。 写真左下:大歩危峡まんなかはみやげも充実。 写真右下: 児啼爺は大歩危で生まれた妖怪といわれ、妖怪街道には石像が立つ

 

 また、大渓谷を有する三好市山城町は、数多くの妖怪伝説が語り継がれるミステリアスなスポットでもあります。遊覧船乗り場である「大歩危峡まんなか」のレストランでは、ヒダルガミという妖怪にちなんだメニュー「ひだるラーメン」が味わえます。

 乗り場近くには、児啼爺(こなきじじい)など妖怪の像が立ち並ぶ妖怪街道や、妖怪屋敷を併設した「道の駅大歩危」もあるので、ぜひ立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

 

 ほかにも吉野川の激流を生かしたラフティングが楽しめるなど、多彩な魅力が揃う「大歩危・小歩危」。徳島県西部を観光する際には外せないスポットです!

※掲載内容は取材時点の情報に基づきます。変更される場合がありますのでご了承ください。

このルポで訪れたスポットはこちら

・大歩危峡観光遊覧船

・レストラン大歩危峡まんなか

・児啼爺の像