四国遍路に出かけよう

現代人が忘れかけたゆっくりとした時の流れに身をゆだね、行く先々でのお接待に心癒さ­れ、時には励まされる。そんな旅に出かけてみませんか?

「OHENRO」:お遍路

四国遍路について

お遍路は、今からおよそ1200年前に、お大師さま(弘法大師・空海)が開創された四国八十八ヶ所霊場をめぐる、世界にも類をみない壮大な寺院巡拝の旅です。
その全行程は約1400キロにもなり、困難で厳しい修行のイメージがありますが、近年は自分自身を見つめる一人旅や、健康増進、アウトドア感覚など、本来の宗教的な目的以外でも大勢の方が訪れ、誰しもが一度は訪れたい霊場としてますます注目を集めています。

四国八十八ヶ所巡拝にかかる日数と経費の目安

お遍路の身支度

お寺に巡拝するという意識をもった服装であれば問題はありません。カジュアルな普段着であったり、アウトドアな装備でも、お大師様に対する敬いの心があらわれていればもちろん大丈夫です。
けれども、やはり金剛杖、袈裟、白衣など、最低限の巡礼の衣装を身につけて廻りたい方がほとんどです。
本格的なスタイルになると、心身共に引き締まるとともに、道中でも「お遍路さん」として受け入れられやすくなり、地元の人々とのふれあいも多くなります。 ここでは巡拝に必要な用品と納経を頂くために必要な用品と2種類に分けて詳しくご紹介します。
お遍路さんの装束や持ち物には、一つひとつに呼び名と意味がありますので、ぜひご覧ください。

お遍路用品

お遍路さんの装束や持ち物には、一つひとつに呼び名と意味があります。

お遍路

頭陀袋の中

数珠(じゅず)・念珠(ねんじゅ)

数珠(じゅず)・念珠(ねんじゅ)お遍路では、煩悩の数である108個の玉が連なっている真言宗用の数珠を使用することが一般的です。
数珠は参拝する時だけでなく、厄除けのお守りとして身につける人も多く、合掌の際は軽く3度擦るのがルールです。

 

納札(おさめふだ)

納札(おさめふだ)巡拝の証として、本堂や大師堂の納札箱に入れます。 巡拝年月日、住所、氏名、年齢を記入する欄があり、巡拝回数によって種類が異なります。(※1~4回は白札、7回までが緑札、24回までが赤札、50回までが銀札、100回までが金札、100回以上が錦札)
また、お接待を受けたときなどは名刺代わりに納札するのがマナーです。

 

経本(きょうほん)

経本(きょうほん)四国霊場専用のもので、般若心経や各札所御本尊の真言などが書かれています。
お経を覚えていても、経本を手に持って読経するのが正しい作法。

 

納経帳(のうきょうちょう)

納経帳(のうきょうちょう)・朱印帳(しゅいんちょう)各札所の納経所で、参拝の証として、ご本尊と寺の名称を書いてもらい、ご朱印を押してもらうための帳面です。 納経帳は、お参りするたびに二回、三回と同じ納経帳にご宝印(ご朱印)をいただくので、何度も回っているお遍路さんの納経帳はご朱印で真っ赤になっています。

 

 

参拝順序

一、山門(仁王門)
山門(仁王門)前で合掌し、一礼して境内へ入る。帰りも忘れないようにしましょう。(※お大師さんのお出迎えに対する礼儀)なお、境内は左側通行を心がけてください。

二、手水場
手水場にて、手を洗い、口をすすいで身を清める。
口をすすぐことは、身体の外と内を清める行為であります。

三、鐘楼堂
鐘楼堂で、鐘をゆっくりと2度つく。※お参りを済ませた後で鐘をついてはいけません。鐘はつくことができない所もあるので、自由につける所のみとしてください。朝早くや遅い時間など、近隣の迷惑になる場合は避けてください。

四、本堂(金堂)
納札箱に納札を納め、灯明(献灯)1本、線香(献香)3本をあげる。その後、お賽銭を納めて合掌し、お経(読経、写経等で)を奉納する。

五、大師堂
大師堂にて、本堂と同じ手順で参拝する。

六、納経所
納経所にて、納経帳等にお納経(ご朱印)を受けてください。※本堂、大師堂の他にもお堂等があれば、先にそちらに参拝してください。

 

お遍路用語集

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同行二人
(どうぎょうににん)
「同行」とは一緒に神仏を参詣する人=道づれのこと。つまり、この言葉は一人でいても常に弘法大師がそばにいるよという意味。
お接待(おせったい) お遍路さんへのサービスやお布施のこと。地元の人たちが自ら「お接待です」と食べ物や飲み物をくれたりする。このサービス、断らないのが基本。なので、そういった場面に遭遇した場合は、恥ずかしがることなく、臆することなく、感謝の気持ちをもって受けよう。この時自分の納札を名刺代わりに差し出すのがエチケット。
打つ 札所を参拝すること。打つというのは、昔の巡礼者が自分の名前を書いた木札をお寺 に打ち付けていたことに由来します。
順打ち(じゅんうち) 札所を一番札所から順に参ること。
逆打ち(ぎゃくうち) 「順打ち」とは反対に札所を八十八番札所から逆に参るのこと。逆打ちは順打ちよりも御利益があるとされている。
札所(ふだしょ) 巡拝する八十八箇所のお寺のことで、参拝して納め札を納めるという意味。
八十八札所以外の大師ゆかりの地や社寺は「番外札所(ばんがいふだしょ)」という。
結願(けちがん) 八十八カ所すべてのお寺をお参りしおえること。一番札所から順打ちすれば、八十八番の大窪寺(香川県)が結願寺となり、途中から始めた場合は、88番目に訪れた寺が結願となる。
遍路ころがし 遍路泣かせの険しい難所のこと。11~12番や19~20~21番への道のり、標高750mの60番、標高910mの66番など。
善根宿(ぜんこんやど) 主に歩き遍路に一夜の宿を無料で提供してくれるところ。お接待のひとつ。
先達(せんだつ) 四国霊場を何度も回っている先導者のこと。四国八十八カ所霊場会が定める制度では、巡礼4回以上の経験者から公認される。
お四国(おしこく) 四国八十八カ所の札所のこと。「お四国さんに回られよんですか?」というような使 い方をする。四国霊場巡拝そのもの、またはお遍路さんを指す意味合いもある。
本堂(ほんどう) お寺の本尊(主な仏や菩薩)を祀る寺の中心となるお堂のこと。
大師堂(だいしどう) 寺の中で弘法大師が祀られているお堂。
真言宗(しんごんしゅう) 弘法大師を開祖とする密教の宗派。
般若心経(はんにゃしんぎょう) 仏教の教えを短くまとめたもの。
御影(みえ、おすがた、みかげ) 納経所でご朱印と一緒にいただくことができる、その寺の御本尊の姿を描いた絵。これをすべて集めて掛け軸に表装したり、御影帳(みえちょう)に保存して家宝にしたりする。

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